2023年12月1日・金曜日

本日熊本城ホールで開催された糖尿病学会地方会において「経口セマグルチドの効果・副作用・継続率に関する短期的な検討」について院長が発表を行いました。

当院2型糖尿病で経口セマグルチドを内服した292人で6ヶ月間での解析を行うと、

1. 処方背景では平均年齢、BMI、糖尿病歴、Hb A1c、処方数全てシタグリプチン群より高く治療強化の必要な患者さんに処方されていると考えられた。

2. 6ヶ月後の経口セマグルチドの容量は3mg、14mgともに18.1%であった。

3. 処方継続率低下は4ヶ月で頭打ちとなり、6ヶ月後68.8%であった。

4. Hb A1cは1ヶ月後有意差なく、80%7mgへ増量後の2ヶ月目より低下し6ヶ月後に0.9%の低下を認めた。

5. 体重については、SGLT2阻害薬併用で6ヶ月後減少したが、非併用では増加していた。

6. 副作用は1ヶ月以内の発現が多く、下痢・便秘・吐き気など消化器症状を中心に42%に認めた。

発表後にシタグリプチン群との効果の差は検討したか、他薬剤との併用内容で効果に差があるのか、体重減少があまり無いようだがどうしてなのかという質問をいただきました。
今回は、経口セマグルチドは平均4剤目からの使用であり、治療強化目的でも十分血糖改善効果があることを確認しました。
また、消化器症状を中心とした副作用が1ヶ月以内に発現しやすく、患者さんの注意深いフォローアップが必要であることが分かりました。




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